フォルクスワーゲン元幹部4人、排出ガス不正事件で有罪判決

フォルクスワーゲン元幹部4人、排出ガス不正事件で有罪判決

2025年5月26日、ドイツのブラウンシュヴァイク地方裁判所は、フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車排出ガス不正事件、いわゆる「ディーゼルゲート」に関与した元幹部4人に対し、有罪判決を言い渡した。元ディーゼル開発責任者には4年半、駆動系電子部門の責任者には2年7か月の実刑判決が下され、他の2人にはそれぞれ15か月と10か月の執行猶予付き判決が言い渡された。

この裁判は約4年にわたり続き、2015年に発覚した世界的な排出ガス規制違反事件の刑事責任を問うものだった。VWは、ディーゼル車に「ディフィートデバイス(無効化装置)」と呼ばれる違法なソフトウェアを搭載し、排出ガス試験時のみ有害物質の排出を抑える一方、通常走行時には規制値の最大40倍に上る窒素酸化物(NOx)を排出していた。この不正により、世界で約1,100万台の車両が影響を受けたとされる。

元CEOのマルティン・ヴィンターコルン氏は健康上の理由で公判から外れており、今後の審理の行方が注目されている。また、アウディ元CEOのルパート・シュタドラー氏も2023年に執行猶予付き有罪判決を受けている。

ディーゼルゲート問題は、VWのみならず欧州自動車業界全体に大きな影響を及ぼし、同社は270億ユーロを超える罰金や補償金の支払いを余儀なくされた。今回の有罪判決は、不正発覚から約10年を経て、企業の社会的責任と経営陣の刑事責任を改めて問うものとなった。

Zozo
Author: Admin Z

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